ワイヤラッピングは、角柱状の端子に被覆を剥いた電線を数回巻き付けるだけで電気的接触を得ることができる手法で、半田付けをせずに行える電気配線手法です。主に試作基板の製造や少量生産のときに利用されることが多いのですが、ワイヤラッピングの作業は手動もしくは電動の専用工具が必要です。ワイヤラッピング用として、角柱状の端子を長く伸ばしたICソケットなどもあります。一般的に、ICソケットはICを挿入するための部品などのイメージを持つ人も多いようですが、ワイヤラッピングの他にもディップラッピングなどの種類もあり、いずれもICを挿入するものではなく半田付けをせずに電気的な配線を可能にする部品として用いられています。
ただし、半田付けが不要といってもプリント基板に取り付けるときには半田付けが必要であり、基板の上側にある端子に対して半田付け作業が要らない、このような特徴があることを覚えておきましょう。ICソケットも、プリント基板への半田付けは必要になるけれどもICはソケットに挿入することで通電を可能にするわけですから、ICは直接半田付けが不要です。何度もICを交換したいときなど、その都度半田作業を行うと手間もかかりますし、熱によりアートワークへのダメージが生じてしまう、ICの端子部分のアートワークは面積が少ないので熱のダメージが起こりやすく、アートワークが剥がれてしまうとプリント基板そのものが使い物にならなくなるため、ICソケットを使うことでプリント基板そのものの保護に役立てることもできるわけです。